ノーマン・ヴィンセント・ピールはアメリカの牧師であり、1952年に『プラス思考の力』を著した作家です。
この本はベストセラーとなり、ドナルド・トランプの人生に大きな影響を与えました。
元々トランプの両親、フレッドとメアリーがピールの教えのファンで、ピールが牧師長を務めるマンハッタンのマーブル・カレッジ教会に通っていました。
彼の教えは、プラス思考と自信の力を強調したもので「自分自身と自分の能力を信じることができれば、人はどんなことでも成し遂げられる」というもの。
トランプはしばしばこのピール牧師を最も影響を受けた人物の一人として挙げ、彼から多くを学んだと語っています。
トランプの伝記作家であるグウェンダ・ブレアーによれば、ピールの教えはトランプの世界観とビジネスへのアプローチを形成するのに役立つものでした。
ブレアーの著書には、ピールはトランプに「自分自身を崇拝する」方法を教え、「絶え間ない自信」の感覚を植え付けたと書かれています。
ピールの教えはさらにトランプの政治家としてのキャリアにも影響を与えており、1984年、ロナルド・レーガンを大統領に指名した共和党全国大会で、ピールは開会の祈りを捧げました。
トランプはこの大会に出席しており、後にピールの祈りは「美しかった」と語っています。
宗教的な教えに加えて、ピールは潜在意識の力も信じていました。
彼は人は潜在意識を使って目標を達成し、障害を克服できるとして、彼の著書『The Power of Positive Thinking』では、読者に成功をイメージし、ポジティブな思考に集中するよう促しています。
トランプもまた潜在意識の力について語っており、著書『Think Big: Make It Happen in Business and Life』では、「潜在意識は目標達成を助けてくれる強力な力だ」と書いています。
ピールとトランプの関係を示す具体的なエピソードをいくつか紹介します。
そのひとつは1983年、トランプがアトランティック・シティのカジノで経営難に直面していたときのことで、ブレアによると、ピールはトランプに電話をかけ、彼のために祈っていたことを告げたという。
そしてトランプ自身がそれを信じるまで「私は次の合衆国大統領になる」という言葉を何度も何度も繰り返すように言ったという。
トランプが大統領選への立候補を表明した2015年、『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタビューで、彼は最も大きな影響を受けた人物の一人としてピールを挙げ、子供の頃のピールの説教を今でも覚えていると語っている。
このようにノーマン・ヴィンセント・ピールはドナルド・トランプの人生とキャリアに大きな影響を与えています。
ポジティブ思考、自信、潜在意識の力に関する彼の教えは、トランプの世界観とビジネスへのアプローチを形成するのに役立っています。
ピールがトランプの自分自身と自分の能力についての信念を形成する上で、重要な役割を果たしたことは明らかだといえましょう。